キミ想い


暫くの沈黙の後、戸惑いの色を含ませた右京の囁くような声が聞こえた。


「本当に……埋めてくれるの?」

「……うん。頑張る」

「それがひどい手段で、なずなを傷つけるとしても?」


右京の言葉に、私は迷わず頷く。


「右京が望むなら、受け止めるよ」


だって、どんなにひどい事だとしても、右京が私を必要としてくれればそこに僅かでも幸福を見いだせる気がするんだ。

盲目的な恋かもしれない。

でも……


「なずな……」


どんな形でも、こうして右京が私を求めて唇を重ね、肌を撫でてくれるなら……



歩く先が崖だとしても



かまわない──‥








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