キミ想い


「なずな」


翌日の教室。

朝のHRが始まる前に、私は蓮に声を掛けられた。


「あ、おはよ蓮」

「少し話がある」

「……うん」


蓮の声色はいつもと同じだったけど、少し表情が硬い。

多分、違和感についてじゃないかと漠然と思って蓮の歩く後ろをついて行った。


辿り着いたのは誰もいない屋上。

とてつもなく寒い。

先月、初めて蓮とキスした時よりも寒さは深くなってる。


「寒いから中でも良くない?」

「この方が頭がスッキリしていい」

「震えて考えがまとまらないケースもあるかもよ」

「だったらあっためてやろうか?」


蓮がからかうように口の端を上げる。

そして、それに対していつもの調子でいれない自分がいた。


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