出会い

今日も、ふらふら街をさまよっていた。
何も、変わらない一日になるはずだった…

「痛っ。」
誰かにぶつかってしまって、私は転んでしまった。
「痛い…。誰よ…。もう…。」
鞄の中のものが地面に投げ出されていた。私は、イライラしながらそれを拾い始めた。
全部拾って、鞄の中にいれようとした時私の手帳を持った手が、視界の中に入ってきた。
「はい。これ。大丈夫?」
声が聞こえて、上を見上げると一人の女性がたっていた。すごく、綺麗な人だと思った。
私は、何も言わずに彼女の手から、奪い取るように手帳を取った。
そして、その場から去ろうとした時、
「ちょっと。手。怪我してる。血が出てる。」
彼女に言われて、自分の手を見ると真っ赤な血が流れていた。手をついた場所に、ガラスか何かがあったのだろう。流れる血を少しの間、眺めていた。
「血。すごい、出てる。あなた、家ここの近く?」
そう言われて、少し困ってしまった。今まで、おやじ達に家はここの近くなのかと聞かれて困ったことはなかったけど、なぜか彼女に聞かれたとき少し困ってしまった。
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