先生に恋をして
「早く帰ろ!」

 そう呟いて筆記用具をリュックの中にしまった。

 課題は先生の机に・・・っと。


 そして教室を出た。

 2年生の教室は一番上の4回でずっと下に降りきゃいけない。1人で何も聞こえない階段を静かに下りていった。

 「南咲(なんざき)?」

 下から誰かがやって来たと思ったと同時に、あの太くてカッコいい声が私の名字を口にした。

 「ぁ゛い!」

 声が裏返ってしまった。 顔を赤くしていると先生が笑った。

 「ハハハ、どうした声裏返してw」

「いえ、ちょっとビックリして…」

 先生は良いなぁ...私のことなんか好きじゃないからいつも通り、皆と尾穴軸喋れるんだから。

 「今日は居残りか?部活にも来なかったし」

「あ、はい。終わってない課題があったもので・・・」

「課題はちゃんとやんなきゃダメだぞ」

 そう言って先生は私の頭をクシャクシャにした。

 「ひどーいー」

 私は頭を押さえた。

 「・・・でもまあ、頑張ったみたいだな。」

「え?」

「手、黒くなってるw」

 先生は笑った。

 「本当だ。」

 今気付いた。こんなに真っ黒だとは思わなかった。

 「ちゃんと洗えよ」

「言われなくとも洗いますぅー」

「ハハ..じゃあ、気をつけて帰れよ。」

「はーい」

 そして先生は上へ上がっていった。



   

       幸せな一時だったなぁ...
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