ほっといて

こんな汚い身体を大事そうにする彼を見て、避けたくなった。



「お願いです!

離してください!」


相手がガッチリ掴んでいるため、抜け出そうにも抜け出せない。


体力だって十分に無いし。



だけどその数秒後に離してくれた。


きっと私の身体の臭みが、彼の鼻を刺激したからだと思う。


「君が生きててよかった。

この前はごめん」

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