*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語
「よし、分かった。


じゃあ、お前さんたちは、これから俺たちの仲間だーーー」






群雲が言うと、他の仲間たちも同意するように頷いた。





空を見上げた灯が小さく呟く。





「…………夜が明けるな」





東の空は、薄紫色に明るんでいる。




じわじわと陽の光が山の端から漏れ出してきた。





はるか西に聳える白縫山も、朝陽を受けて表情を変える。







「あれが、俺たちの山だ………」






灯が言うと、汀と露草は西の霊山へ目を向けた。





群雲がゆっくりと歩き出した。



皆もそれに従う。




群雲は白縫山を背に、汀と露草の方を振り返った。








「ーーーようこそ、白縫山へ………」







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