片想いのカタチ *短編集*
私は、アスファルトに座り込んだまま俯いた。
たくさん泣いて、誤解してたこともわかって安心したら疲れた。
「……やっと見つけた!」
航太の声が聞こえて顔をあげた。
「……航太」
「もしかしてお前泣いた?目、赤い」
覗き込んできた航太は心配そうな顔だった。
「なに、心配してくれてるの?」
冗談半分でそんなことを言った。
そうしたら、航太は何も言わず私の瞼に優しく触れた。
「航太、どうしていつも私に意地悪なの?」