片想いのカタチ *短編集*
「てか、俺が由佳のこと好きじゃないって言ったの誰?」
航太は、少しむっとしたように言った。
「私がそう思っただけ。だって……」
「俺は、由佳のこと好きだし」
そして、航太はぎこちなく壊れもののように私を抱きしめた。
「それぐらい気付けよ」
私の耳元でそう囁いた。
航太の吐息が温かくてくすぐったかった。
「だって、私への態度ひどいくせに桃子には超優しいから」
私は、プクって頬を膨らませた。