再愛 ーサイアイー
「左手は心、右手は体を表してるんだって。だから、体を一歩下げて神様を敬う意味があるんだって。」
へー…、そんな意味が。
俺たちは、二礼二拍手をすると、それぞれ祠に向かって手を合わせた。
俺が目を開けると、美幸もすぐに目を開けた。
一礼をすると、再び階段に向かった。
「わぁっ!」
美幸の感嘆の声に視線を上げると、青い海が広く映った。
「ここからだと、こんなに綺麗な景色は見えるんだね。」
さっきまでいた海が、夜の月の光の中、青く輝いている。
高い所から見えるこの景色には、俺も感動した。
「綺麗だな。」
「うん、綺麗。」
2人で微笑み、手を繋ぐ。
そして、歩き出した。
『I pray for happiness of Miyuki』
美幸の幸せを願う
俺が神様に捧げた、願い事。