Birth Day〜さよなら、悲しいあの日〜



「お父さんお母さん会いに来たよ」



そう言ってわたしは花束をお供えする



「天国に逝っちゃってからいろんな事があったんだよ」



手を会わせながら話しかけた



「お父さんお母さんの事大好きだからね」



自然と一筋の涙が滴り落ちる



「わたしね、幸せになっても良いかな?

みんなと一緒に笑って過ごしてもいいかな?」



返事が返ってくるわけでもないのにそんなことを言ってみたり



わたしはすっと立ち上がると離れた場所で木にもたれながら携帯をいじる滝川くんのもとへと戻った



「あれ、もういいのか?」



「うん、話したかったこと話せたしね」



と微笑んで見た



「秦野はやっぱ笑顔がかわいい」



とかいって携帯をしまうと自転車にまたがった



「雲行き怪しいから早めに行くぞ?」



空はいつしか曇っていて



雨が今にも降りそうな感じ



「うん」



わたしも自転車に股がった



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