黒龍Ⅱ







「…っ、」




海龍の正体が
麗だと分かった瞬間、



俺は
どうしようもない
罪悪感に襲われる。






なんで、
なんで気づけなかったんだろう。



こんなに近くに居たのに。



"ありがとう"って
そう言いたかった。






…だけど、

どうしようもない
麗への想いが
罪悪感と共に俺を襲う。




麗が海龍だと知った今、

俺の強さじゃ
麗を守れないことを
改めて感じさせられる。




それでも


涙を流しながら
俺に笑顔を向ける麗が、


自分よりも
相手を大切にできる麗が、


暗い過去を持ちながら
精一杯生きる麗が、


どうしようもなく
愛しくて。






強さなんて関係なく、
守りたいと思う。




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