サヨナラのしずく
俊平はあたしの目を見てくる。




「な、なに?」


「お前…もしかして、キスの経験あんまねぇの?」


「うん、今のが2回目」


「つうことは、お前俺としかしたことねぇの?」


「うん」


「そうか、そうか」





俊平はそう言って、あたしの頭を嬉しそうに撫でてくる。



そして「3回目だ」と言って、再びあたしの唇に自分の唇を重ねてきた。



さっきのとはちょっと違って優しいキスだと思った。



啄むようなそれを何度も繰り返してくる。



子ども扱いされてる気もするけど嫌じゃない。





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