サヨナラのしずく
時間の感覚を失っていたけど、タクミさんが何日もあたしのそばについていてくれてるのはわかった。



だけど、ただ食べろと言うだけで俊平の話をすることもなかった。



さらに時がたって、いつの間にかタクミさんと俊平の部屋で一緒にくらすような形になっていた。



タクミさんはただあたしのことを心配して離れられないだけだろうけど、それでもタクミさんがいてくれたからあたしは死なずにすんだ。



あたしはちょっとずつ食事が出来るようになってきていた。



そしてこの部屋を出る決断をした。



ここは俊平との思い出がいっぱいで、これ以上何かを期待してここにいてもつらいだけだから。




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