サヨナラのしずく
「それでお兄ちゃんからの伝言」




タクミさんの伝言。



それをわざわざ伝えるためにユウカさんは来てくれた。



気になるけど、タクミさんの伝言を聞くには勇気が必要だった。



あたしは唾を飲み込んで、心の準備を整えた。




「あたしが病院に駆け付けた時、お兄ちゃんまだ少しだけ意識があって…」




これを聞いただけで全身が固まる。



手をギュッと握りしめた。





「“雫に幸せになれ”って伝えといてって言って死んでいった」




あたしは声をあげて泣いてしまった。




ユウカさんはそんなあたしに手を伸ばし優しく頭を撫でてくれる。




「ごめんっ…ごめんなさい…」





タクミさんっ…本当にごめんなさい。





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