サヨナラのしずく
「高野さん、最近オザワ君と仲よしだよね」




休み時間だというのに勉強をしているあたしの元へクラスの女の子たちがやってきてそう言った。




「そんなことないよ」




あたしは顔をあげ女の子たちを見上げてそう返した。



ちょっと話すようになっただけで別に仲よくなったわけじゃない。



まあ、元々いつもひとりでいるあたしが誰かと話すからそう見えてしまうだけかもしれないけど。



「この子オザワ君が好きなんだよね」




この子って言われる子に視線を向けたけど、思いっきりそらされた。




「だから、紹介してあげてくれない?」


「紹介?」




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