サヨナラのしずく
俊平はあたしの向きを変えキスをしてきた。



キスをして口を塞がないとあたしたちは悲しい言葉ばかり口にしてしまう。



だからあたしたちは何度もキスを繰り返した。



そして、あたしたちはそのまま抱き合った。




朝目覚めると、俊平はトイレで嘔吐を繰り返していた。



あたしは後ろから背中を擦った。




「…心配すんな。お前のケーキ食うまでは死なねぇから」



落ち着いてきた俊平はトイレで座り込みながらそう言った。




「約束だよ」


「ああ」



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