溺愛王子とヒミツな同居
「おっ待たせ~! いやぁ、モテるって大変だよね」
何も聞いてないのに、軽い光の口がいつも以上に軽快にペラペラと喋りだす。
「で、俺がいつお前と大事な話をする約束したって?」
それを表情一つ崩さず見ていた俺は、まだ喋り続ける光に被せて喋り始める。
「やだなぁ。言葉の綾じゃない。
大好きな女の子の誘いを断ったなんて、オレにとっては凄いことなんだから」
自慢にもならない話を胸を張って話す光の姿に、軽蔑の眼差しをお見舞いしてやる。
「大翔君、何かな? その何か言いたげな目は」
「お前いつも、あんなことやっててよく疲れないな。感心するわ」
「え~! 大翔がオレのこと褒めるなんてどうしちゃったの?」
「これが褒めてるように聞こえるんなら、お前の耳は異常だ。今すぐ耳鼻科に行って検査受けてこい」
「それ酷くない? 大翔の冷たいツッコミがちゃんと聞こえるオレの耳は正常だと思うんだけど」
何を言ってもめげない光は、もう気にしてないのか、いちごオレをストローで飲みだした。