糖度∞%の愛【改訂版】


「調べた情報と、実際見るのは結構違うもんだよ?」

「覚悟の上です」

「酔った私って、普段からは想像できないくらい甘えたになるよ?」

「前に一回拝ませていただきましたが、あんな可愛いなら毎日でも酔って貰いたいです」

「意外に束縛するよ?」

「俺だって負けません」


いくら言っても、五月女は表情一つ変えなかった。


「たぶん、五月女と付き合ったら私、アンタから離れられなくなるよ? もしかしたらストーカーになるかもよ?」


最後はおどけて見せたけれど、本当に思っていたことだ。可能性がないわけじゃない。
なのに、そんな言葉にさえ、

「一生離しませんし、それくらい俺のこと好きになってもらわないと困ります」

とにっこり笑顔で言いきって、ふわりと私を抱きしめた。
意外にも早い、五月女の鼓動がスーツ越しに、手のひらに伝わってくる。

なんだ、結構コイツも余裕ないんじゃん。
こっそり笑っていると、抱きしめられている腕がぎゅっと力を増した。


「沙織さん、結婚を前提に付き合ってください」


もしかして、こんなところで思わず言っちゃうくらい、五月女もテンパっていたのだろうか。
さっきよりも早くなった鼓動が愛しくて、私はとうとう大きな背中に両手を回した。


「はい、よろこんで」


返事くらいは、素直な言葉で。














―― ようやくアナタを手に入れた。
   泣いても喚いても、離してなんてあげません。 ――

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