ハッピー☆ウエディング


「あたしのバージン奪おうとした人ぉぉぉー!!」

「えぇ!?」




あたしはその『彼』を指差して叫んだ。

温泉に行った日の夜を思い出す。




彼は周りを気にして、慌てて唇に一指し指を当てて『しーッ』と言っている。




「風間君、あなた最低ね」



雪絵があからさまに軽蔑して彼を眺めた。



「・・・いや。違うんだ。萩本さん・・・これには訳が・・・葵ちゃん、その言い方は誤解を招くよぉ」



苦笑いをして、風間さんはあたしを見た。

あたしは、二人のやり取りを見ていて、思わず吹き出しそうになってしまった。



この人、もしかして雪絵さんの事・・・・



あたしが、風間さんを見上げた時だった。



< 136 / 337 >

この作品をシェア

pagetop