ハッピー☆ウエディング
「あたしのバージン奪おうとした人ぉぉぉー!!」
「えぇ!?」
あたしはその『彼』を指差して叫んだ。
温泉に行った日の夜を思い出す。
彼は周りを気にして、慌てて唇に一指し指を当てて『しーッ』と言っている。
「風間君、あなた最低ね」
雪絵があからさまに軽蔑して彼を眺めた。
「・・・いや。違うんだ。萩本さん・・・これには訳が・・・葵ちゃん、その言い方は誤解を招くよぉ」
苦笑いをして、風間さんはあたしを見た。
あたしは、二人のやり取りを見ていて、思わず吹き出しそうになってしまった。
この人、もしかして雪絵さんの事・・・・
あたしが、風間さんを見上げた時だった。