ハッピー☆ウエディング
慶介の事情

会社の食堂であたしは慶介とご飯を食べた。
慶介はしばらく黙ってご飯を口に運んでいたが、小さく溜め息をついてその手を止めた。





「で。…なんでお前達がいる?」



「え?」



あたしはカレーを頬張りながら顔を上げた。



「そんなぁ、冷たい事言わないで下さいよ~」


そう言って、ニカッと笑ったのは風間さんだ。


その隣には、雪枝さんもいて、おいしそうなサバの味噌煮をつついている。

「そうよ。葵ちゃんと慶介君が二人だと目立ちすぎるわ」


雪枝さんもにっこり笑った。


「・・・・・」


慶介は眉間にシワを寄せたまま、ちらりとあたしを見た。
そして、 また溜め息をもらした。



部下に言いくるめられて納得していない様子の慶介を見て、あたしはおかしくてたまらなかった。



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