ハッピー☆ウエディング
しばらく、瑛太が機材をいじっているのを眺めていた。
こうして、何かに集中している瑛太は黙っていれば結構キレイな顔をしている。
・・・・・うん。
黙ってれば、ね。
今日の髪型も、ワックスでしっかりとツンツンにセットされている。
耳にはたくさんのシルバーピアス。
黒のライダースジャケットに、タータンチェックのパンツを綺麗に着こなしてて、個性的だけど、すごく瑛太に似合ってる。
・・・慶介とはまるで正反対だな。
そんな事をぼんやり考えてて、瑛太が目の前まで来てた事に気が付かなかった。
「葵?なに、気分悪い?」
「へっ!?」
そう言って、あたしの顔を覗き込む瑛太。
・・・・ドキ!
その瞳に不意をつかれたあたしの心臓は不覚にも悲鳴をあげた。
何度呼んでも返事をしないあたしを心配した瑛太。
その顔が、あまりにも無放備で、幼くて・・・・
って!!
おかしいから!
そんなの思う自体ありえないし!!!
あたし・・・・疲れてる。
きっと、心が疲れてんだ。
少し首を傾げてあたしの目を見つめる瑛太。
あたしの眉間は勝手にピクリと動いた。
「なんでも・・・な、ない」
瑛太から視線を逸らして、その手に握られている紙に気が付いた。