ハッピー☆ウエディング
怖くて慶介の顔が見れない。
手にジワジワと、冷たい汗をかいてしまう。
どうしよう・・・・
「雪絵さんには、関係ない事だと思うけど。
・・・あなたも誰かと待ち合わせじゃないんですか?」
慶介は怪訝そうな顔をした。
「そうだっ。今、食事を済ませたところだったの。
慶介君、またお話聞かせてね」
思い出したように、“雪絵さん”は両手を胸の前で合わせた。
「お邪魔してごめんなさいね。 それじゃ、ごゆっくり」
雪絵さんはそう言うとあたしの方に柔らかな笑顔を向けて、店をそそくさと出て行ってしまった。
彼女がいなくなってしばしの沈黙が流れる。
「あ・・・あの」