ハッピー☆ウエディング
暗い路地に目を凝らす。


誰・・・!?



ドクンドクンドクン



次第に目は暗闇に慣れて、その影もはっきりと見えてくる。


「・・・・・」


ああああああっ!!!!


『なにするの!?離して!』


あたしの目に飛び込んできたのは、若い男に腕を掴まれて、身動きのとれなくなっている絵梨ちゃんの姿だった。



絵梨ちゃん!!?

こんな所でなにしてるのっ?


どう見ても嫌がってる・・・


どうゆうことぉ!!?



暗いところに連れ込まれて、絵梨ちゃんの体はもうほとんど男と密着している。
ニットを目深にかぶってニヤニヤと不気味な笑みを浮かべる男に、あたしは思わず身震いしちゃう。

今にも絵梨ちゃんの唇に男の唇が引っ付きそう!!



わわわっ!



どどど・・・どうすればいい?


このまま見過ごす訳にはいかない。


辺りを見渡しても、やっぱり人影がない。



『やだってばあぁぁ』



絵梨ちゃんの悲痛な叫びであたしは二人に視線を戻した。


ダメっ!!







「なにしてんのよー!!」



次の瞬間、あたしは無我夢中で二人に向かって暗闇に飛び込んでた!!!

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