ハッピー☆ウエディング


でも、そんな願いも虚しく慶介の運転する車はうちの玄関の前に停まった。




「じゃ、早く寝ろよ」




そう言って慶介はあたしの頭に優しく手を乗せた。

その手の行く先に、あたしはほんの少し期待してる。






ねぇ・・・・・あたしに触れて?






「うん」




でも、手はあっけなくハンドルに戻っていった。

慶介がフットブレーキをかけずにいることに、なんだか「すぐ降りろ」と言われているみたいで、胸の奥がキュと痛んだ。






まだ一緒にいたい・・・・



もう少しだけでいいから・・・・・






そんなふうに甘えられたらどんなに楽だろう。



あたしは、スカートを握る手に力を込めた。




「・・・あ、送ってくれてありがとう。

 ・・・・えと、おやすみなさい」








精一杯の笑顔と、あたしの強がり。










あたし、ちゃんと笑えてる?



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