ハッピー☆ウエディング
「あらぁ、一ノ瀬さん」


「こんばんは、植草さん。遅くなってすみません」



へっ?



一ノ瀬!?



あたしは恐る恐る振り返る。


「どうも。葵さん」



あたしを上から見下ろしている人物。

まるで、写真の中から抜け出した様な装いに驚いた。


ひえーーーっ!!!


本物だああああっ!!!




「ど、ど、どどどうも」



あたしはかなりどもってしまった。


一ノ瀬慶介は、口だけをちょっとだけ上げて笑うと、あたしを面白そうにながめている。



うっ


やな感じー!!



あたしは顔が赤くなるのがわかって、慌てて向きなおった。



近くで見ると、写真なんかよりずっと背が高くて、スーツがすごく似合ってる。


メガネの奥の瞳は、けして大きくはないけど、大人の魅力が感じられる。


あたしはどっちかってゆーと、しっかり二重よりも、一重の切長の目が好き。


一ノ瀬の瞳はあたしの心を奪った。



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