ハッピー☆ウエディング


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あたしは、ゆっくりと慶介を振り返った。


そこには、たしかにあの時無邪気に笑っていた“一ノ瀬慶介”がいた。


5年の歳月は、こんなにも人を変えるんだ。


あたしは不思議な気持ちになった。







あたしはもう16歳だし。

あの時22歳だった慶介だってもう26歳になるんだ。





あの時と変わっていないのは、心を奪われてしまったあたしだよ?







「・・・・やっと思い出したんだ」



そう言うと慶介は、眉毛を下げて笑った。



「うん。思い出した。
慶介はあたしの誕生日に会ったときからちゃんと覚えててくれたんだね」


「あんな衝撃的な出会い方してるんだ。忘れるわけがないさ」


「・・・・ご、ごめんなさい・・・」



ハッとして気まずそうに俯いたあたしを見て、慶介は優しく微笑んだ。



俯いたあたしの視界の中に、慶介の靴が見えた。







「・・・・・・」





次の瞬間、あたしを甘くてほろ苦い香りが包み込んだ。


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