ハッピー☆ウエディング


あたしは、力任せに慶介の体を押しやった。
これが、噂の大人のキス?

でも、この前のキスとは全然違う。



全然・・・




頭の芯から痺れてしまって、なにも考えられなくなっちゃいそうだった。







「はあ、はあ・・・・」




あたしの荒い息遣いとは裏腹に、慶介は押された勢いでソファに体を投げ出したまま、静かにあたしを見つめている。



「・・・・・・・」





はれ?



怒ってます?





「あ、あの・・・・ごめんなさい」




慶介の、怒ってるのか呆れてるのかわからない表情を見て、あたしは思わず謝ってしまう。



顔を真っ赤にして俯くあたしの頬に、慶介はそっと触れた。




「知りたいの、知りたくないの・・・どっち?」


「・・・・え・・・えぇ?」



ムスッとしてあたしを眺める慶介はそう言うと、ちょっとだけ首を傾げてあたしの顔を覗き込んだ。



「その気にさせといて、そんな拒み方はないな」



そう言ってクスッと笑う慶介。



「・・・・うッ・・・」






これって、からかわれてる?


あたしの顔は真っ赤になりすぎて、もう目がウルウルしちゃってる。






・・・・・うん。そうなんだけどね?




知りたいと思ったけど。




でも、そっちですか!?

< 34 / 337 >

この作品をシェア

pagetop