ハッピー☆ウエディング


雪絵さんのやたら色っぽい声を聞きながらあたしは、目の前がクルクル回ってしまう感覚に襲われていた。


あたしの場所からじゃ何も見えない。



慶介の顔をなんとか見上げてみる。


「まずいな…」


慶介は何やら1人でぼそぼそ言っている。




ちょうど見えるみたいで無理に視線をそらしてるみたい。



そりゃそうだよね…


他人の…しかも雪絵さんの情事なんて見たくないよね?



それにしても雪絵さん…

慶介が好きだったんじゃないのかな?
あたしはてっきり、雪絵さんは慶介が好きなんだと思っていた。


でも、雪絵さんはかなり年上の男の人と一緒にいる。


あの人は誰なの??



あたしはふと視線を落とした。




………?



あたしの視線の先になにか白い物が漂っている。



なにこれ…


あたしはそれを手にする。






タオル?




え!?

タオルぅ!?




あたしは無意識にお湯につかっている慶介の体に目をやる。




まさか…



まさかっ!!!



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