ハッピー☆ウエディング


「葵」


ふいに父親があたしを呼んだ。
その声にあたしは顔を上げる。


「一ノ瀬さんとうまくいっているのはいいが、お前はまだ16歳だ。」



はぁ!?


いきなりなにを言い出すかと思えば!!


てか、こんな無理な事あたしに押し付けたのは他でもない!!

お父さんじゃん!!!



そしてあたしはさらに目が点になる。





「結婚するまでエッチは禁止だっ!!」




「はあああ!?」



バス内が一瞬静まりかえる。




あたしは、大注目の中、やたらすましている父親を見て、



「はは…」


なんて苦笑いをする。


きっとその顔も引きつって、額には青筋なんかたてちゃって。





「ぶはっ」



後ろから吹き出す亮の声。



「も…むっ無理っ」


腹を抱えて肩を震わす亮……




バカおやじぃー!!




ほんとにあたしの親父かぁ!?




あたしはワナワナ震える手をグッと抑え、湯気でも出そうな程赤くなった顔で母親に助けを求める。



母は、首を横に振り、


「まだ早いわよ」





なんて言う。



そしてこっそり耳打ちをした。






『…で?どこまで?』






だから、何もないんだってばああっ!!!!


< 95 / 337 >

この作品をシェア

pagetop