LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
これ以上延ばすわけにはいかない。

アイツの気の済むようにしてやればいい。

僕が持ってるこだわりや、プライドなんて

柊を守る為なら、

木端微塵に砕けたって構わない。


約束のな書で待つ僕の前に、

黒塗りの車がすっと止まった。

ウィンドーから覗いた懐かしい顔。


「兄さん。」


「やあ、久しぶり彗元気だったか?」


一番上の業(ごう)兄さんだ。


学生時代に起ちあげた企業の社長をしている。


いわゆるネットを使った派遣会社だ。

詳しくは知らないが、最近随分大きくなったらしい。


「忙しいのに済みません。」


「いやいや、久しぶりにかわいい弟から連絡貰ったんだ、

 何をおいても優先させるさ。」

向けられた優しい笑顔は、

僕と同じあいつの遺伝子を感じた。




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