LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
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「これ、神宮君の分ね。」


「ああ、うんありがとう。」


私の片腕だった、咲が年休消化と称して海外に新婚旅行の先取りに行って、

帰ってきて、今日から出勤していた。


新人との引き継ぎを3日ほどしたら本当に退職となる。



「なあに?喧嘩でもした?」

「え?

 ああううん、そういうわけじゃないけど。」


「柊。


 なんか私のいないうちに色々あったみたいね。


 仕事の方も、東さんからいろいろ聞いたわよ?


 あたしも、あと数日しかいられないけど、

 なんか手伝えることあったら言ってよね。」



「ありがと、でも、新人今日からだからそっち大変じゃない?」


「引き継ぎや何やらは東さんがしてくれることになったから、

 あたしはあんたのサポートに回って大丈夫らしいわよ?」


「さすがは東さんね、助かるわ。」


「なんだかすっかり東さんと仲良くなって……

 ちょっと妬けるわね。」


「何言ってんの咲がいなくなった穴は大きかったから大変だったんだからね?

 そのうえ、東さんが抜けて新人さんが入るとか、

 結構、っていうか、

 かなりの痛手なんだから」


「柊、ごめんね。」


「ふふ、でも、咲が幸せになるんだから

 笑って送り出してあげるわよ。」

咲は、

例の近隣の店舗リストをとりだし、

「あたしがいる間にこの件だけでも、片づけたいわね。

 東さんから概要は聞いてる。

 全く余分な仕事作る天才なんだから柊は!

 何処の店舗に電話したの?

 続きはあたしがやるから」

ニッと笑いながら、

ボールペンをカチッと鳴らした。

頼もしい。


「あ、ええとね……」



 




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