LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
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イタリアの古城。


すでに到着していた招待客が、

広間に集っていた。

「どういう人たちが来てるんだ?」

「親父の個人的な付き合いのある人たちと、

 俺の会社関係者だ」

「そういえば、碧兄は?」

「そうだな間に合うといいなだけど?」

「彗に俺たちからのプレゼントだよ。」

「俺に?」

「俺たち、お前に兄らしいことしてやらなかった。

 こんなことでもなければ顔を合わすこともないよな。」

「でも、これからは、兄貴の会社に入るわけだし、

 俺はなんだかんだ言って、

 面倒見てもらってたってことちゃんと理解してるつもりだよ。」

「そうか?

でも、お前を驚かせられると思うぞ。

楽しみだな。」



業兄はふふっと笑うと、俺の背中を軽くたたいて、

奈央さんに走り寄り大切そうに腰に腕をまわした。


そんな二人の幸せそうな様子に思わず目を細めた。

あ……柊!

柊に連絡してない、

家からだまってきてしまってからもう二日も経っている。

まさに失踪状態。

あの時、あいつの携帯を借りなかったことが悔やまれる。

柊の泣きそうな顔が目に浮かぶ。

そうだ、とにかく電話!

でもあれか?

ここに公衆電話ってあるのか

携帯に国際電話ってどうやって掛ける??









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