LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
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ふう……

一人の部屋で出るのはため息ばかり。

私が一つ頷けば、

きっと転がっていく未来へのダイス。

人生ゲームはあの日からいったい何回休みなんだろう。

私を乗せたコマは、パートナーを乗せられないままストップしている。

あの日私が選択したのは、陽向じゃなくて彗で、

その事には後悔はない。



けど…

彼を愛すれば愛するほど、

こんな自分でいいのだろうかと思ってしまうのだ。

愛しい彗

一秒だってあなたを思わない時間はないの。

今あなたが他の誰かと話しているかと思うだけで、嫉妬に狂いそうな私。

知っているのよ私。

あなたが好きな私は、

クールで、執着しない私。

あなたが望む私は、あなたを愛する前の私。

だから、こんなふうにあなたを縛ってしまいたくなる私では、


きっと息苦しくて、

私の鳥かごから出たら逃げ出してしまうに違いない。


だから、演じるの愛していないふり。

彼の興味が私から離れないように。


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