LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「コーヒー飲むでしょ?」


「あ、うん。ありがと。」


彗が置いてくれたカップのそばに、

大きめの白い封筒。

よく結婚式の招待状とかが入っているやつ。


封筒の差出人は陽向で、となりには知らない人の名前が並んでいた。


「これ……」

中身を取り出して、やっぱりという気持ちのまま凝視した。


この度、婚約が整いまして-----

という書き出しの婚約披露パーティの招待状だった。


「結婚式も簡単に済ませるご時世に、

 婚約パーティーなんてイマドキするのかね。

 さすが、有名ホテルグループチェーンの御曹司、することが違う

 二人で来いってさ。

 どうする?行く?」


あたしは首を振った。

どんな顔して行くって言うのよ。


ほんとに最後の最後まで、陽向ってば自己中ね。


「きっとあの人来て欲しいんだと思うよ。

 自分も結構幸せなんだって、柊に見せたいんだと思う。

 行ってあげようよ。

 僕も行くから。

 それとも…まだ未練あったりする?」


「ないけど!でも私……」


「僕あの人より幸せにする自信あるよ。

 だから、

 こっちも見せ付けてやったらいい」

真っ直ぐに向けられた私への目は、

NOということを許してくれそうになかった。

彗はまだ、あたしの中に陽向への気持ちがあると思っているんだろうか

私は黙って頷いた。


 


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