ナンパ男との恋〜総集編〜
「あれ、春ちゃん
まだ帰らないの?」

帰り支度を終えた
さおりさんが
私の前で立ち止まった。

「この仕事までしたら
帰ります。」

「手伝わなくて平気?
まだ若いんだから
たまには 早く帰りたいでしょ?」

「いえ、どうせ帰ってもする事ないので する事あった方がちょうどいいんですよー」

「まったくー
たまには遊ばなくちゃ もったいないわよー
どうしても暇な時は 電話してね。
ごはんくらいおごるからね」

「ありがとうございます。
お疲れ様でした」

「おつかれさまー」


みんな帰ってしまい
静まり返った院内で
カルテの整理をしつつ
去川さんを待つ。


そんな中、30分経った所で


「帰ったかと思ってた」


気配もなく 背後から
声をかけられ
思わず ビクッとしてしまう私・・・。


「あ、いえ・・・
する事もあったので・・」

「はい、これ
今作ってもらったばっかだから」

渡された紙袋まで熱いほど
できたてホヤホヤだ・・。


「ありがとうございます」

「甘い物食べると
精神安定するみたいだし。
5個入れたから
輝樹に1個だけ食べさせて。
お疲れさま」


「あ、ありがとう!」


精神安定・・・・

気遣ってくれたんだろうか。

輝樹に1個・・・
私、4個?





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