ナンパ男との恋
▼複雑
その日の夜、輝樹から
電話が鳴った。

「今、大丈夫か?」

「うん、大丈夫。
輝樹は 家・・・?」

輝樹の周りが
珍しく異様に静かすぎて
いつも聞かない事を
聞いてしまった。

「あぁ、家。
その、親父さん
何か言ってたか?」

「それが・・・・」

少し、言うべきか
迷ったけれど・・・
こんな事 隠してても
どうしようもない。

「何?」

「あはは・・何か
引っ越さないといけないみたい。
えへへ 参っちゃうよね。
お母さんなんて
私と2人暮らしするなんて言って
もう めちゃくちゃだし・・」

「意味 全然分かんねぇんだけど?
何で 引っ越すとかいう話が出てんだ?」

昨夜から今朝にかけて
家であった出来事を すべて話すと
ようやく 話が通じた。

「・・・輝樹?」

切れたかと思い
ディスプレイを確認するけれど
通話中のままだ。

「輝樹?」

「明日の夜
そっち来るわ。」

ようやく沈黙を脱出したと思ったら
一言
そう言い
電話は切れてしまった。





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