君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「頼んだ私がこう言うのも、変かもしれないけど結婚となったら話は別よ。それに副社長なら理解してくれるわよ。東野さんのこと、お気に入りだし」


「う、ん...」


昔の私だったら、好きな人からプロポーズされたら今すぐにでも結婚したい!って思うはずなんだけどな。
嬉しい気持ちはあるのに、なんでこんなにも圭吾さんとの結婚に積極的になれないのかしら。

結婚はしたいのに...。


「...あれ?そう言えば藤原課...じゃなくて、藤原さんは?」


休日なのに家にいる気配がない。


「仕事ですって。今日だけ休日出勤。どうしても終わらない仕事があるみたい」


「そっか。部長だものね。大変ね」


「......えぇ、そうね」


そう言っていつものように返事を返してくれたけど...。ん?私だけかしら。
間を感じたのは。


「...ねぇ、橘さん。最近藤原さんとは...」


そう言い掛けた時、ちょうどお昼寝から目覚めた光太君の泣く声が聞こえてきた。


「あら。起きちゃった。ちょっと失礼」


「うん」


そう言うと橘さんは立ち上がり、光太君が眠る寝室へと行ってしまった。


「...そんなわけあるわけない、か」


淹れてもらった紅茶を口に含むが、冷めてしまっていて冷たい。


ちょっと気になっちゃったけど、橘さんは藤原さんのことが大好きだろうし。
なんだかんだ言っても藤原さんも橘さん一筋っぽいし。
光太君も産まれて三人で幸せに暮らしているのよね?


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「櫻田さーん。東京バナナ買ってきてくれないかな?」


「お断りいたします。私、今忙しいので」


わざわざ副社長室から出てきたから何事かと思ったら、東京バナナですって?
冗談じゃないわ。こっちはこっちでやらなくちゃいけない仕事が山積みなんだから!


そう思い、パソコンへとまた視線を戻したけど


「お願いだよー。甘い物を食べないとどうも仕事スイッチが入らないんだよね」


戻るどころか、私との距離を縮める副社長。


「なら私のチョコレートを差し上げます」


「ダメダメ!チョコレートなんかじゃスイッチ入らないさ。やっぱ東京バナナでしょ!」


でしょ!って...。


「お願いだよ櫻田さーん!買ってきてくれない?」


「ちょっ...!副社長!?」


まるで駄々をこねる子供のように私を揺する副社長。
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