君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「えっ...安心?」


「はい!」


意味が分からなくて、中山さんを見つめてしまう。

そんな私の視線に気付いたように中山さんもまた私を見つめる。


「だって私、櫻田さんがライバルだったら叶わないなーって思ってましたから」


「ライバル?」


えっと...。ちょっと待って。


やっと落ち着いた心臓がまた早く鳴り出す。


「えぇ。私、藤原部長のこと狙ってますので」


「......」


今、狙ってるって言ったよね?


「あっ。このことは誰にも内緒にして下さいよ?それじゃお先に失礼します」


「えっ、えぇ...」


私に軽くお辞儀をすると、そのまま中山さんは更衣室を出て行ってしまった。

気付くと控え室には誰もいなかった。
就業開始時刻が迫っている。だけど私はなかなか動けずにいた。


えっと...。狙っているってつまりそういう意味よね?私の予想がずばり当たっちゃって、中山さんは藤原さんが好きってことで...。


「えぇー!!」


就業開始のベルと共に更衣室に響き渡る私の叫び声。


櫻田菜々子

友人の恋のライバル出現にどうしたらいいのか分からず、今はただ、叫ぶことしか出来なかった。
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