君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「ふー。なんとかできました」


「そうか...」


おむつ替えがどうにか終わり、すっきりしたのか光太君も泣き止んでくれて。
圭吾さんと二人、顔を見合わせ思わずお互い溜め息を漏らしてしまった。


「...子供って本当に大変ですね」


「あぁ...」


今朝からミルクを作ったりおむつ交換をしたり。私も圭吾さんも勿論そんな経験なんてないから、あたふたしまくり。

時計を見るともう午後一時。


「あー...」


「ん?光太君、眠くなってきちゃったのかな?」


さっきミルク飲んだし。

抱き抱えたままそっと背中を擦る。


「...菜々子、慣れてるな」


「え?」


「赤ちゃん抱く姿が様になってる」


「あっ...。全然ですよ。ただこの歳になると友達けっこう出産していて。何度か抱かせてもらったりしているので」


「そっか...」


...ん?ちょっと待って。さっきの言い方だと遠回しに『結婚していないのは私だけなのよ』みたいに聞こえたりしない?


「あっ、あの圭吾さっ...!」


誤解されたくなくて弁解しようとしたけど、


「シッ。...寝ちゃってる」


「えっ?」


圭吾さんに言われ光太君を見ると、気持ち良さそうに眠っていた。


「可愛い寝顔だな?」


「...はい」


本当に可愛い。

そうだよね、圭吾さんと結婚したらいつかは子供も産まれるんだよね。

どんな感じなのかな?好きな人との間に出来たら。
光太君にさえこんなにメロメロになっちゃっているんだから、自分の子供だったら、どうなっちゃうんだろう。


...圭吾さんはどうなのかな?
藤原さんみたいな親バカになっちゃったりしちゃうのかしら。

それはそれで見てみたいな。親バカな圭吾さんも。



「...なんだ?さっきから。なにか俺の顔についているのか?」


そんなことを考えていたら、どうやら無意識のうちに圭吾さんを見つめてしまっていたみたいで。


「えっ!!あっ、いいえ!なっ、なんでもないです!」


言えるわけない。
一人で勝手に未来を妄想していたなんて。


慌てて圭吾さんから視線を反らす。


「あっ、あの光太君寝かしてきますね」


「あぁ」


恥ずかしくなってきてしまい、私は逃げるように光太君を連れて寝室へと来た。

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