『友人狩り』
<いつも郁哉に頼ってしまう。あのときも…。>

<私はあの頃と変わっていない。>


雫は携帯を机の上に戻すとソファーに身体を預けた。


「この前、久しぶりに郁哉を見かけたけど大人っぽくなったわね。彼女いるの??」

姉は化粧道具をポーチに入れながら雫に聞いてきた。

「さぁ?いないんじゃないの??」

「でも、もてるでしょう??」

「…まぁ、もてんじゃない?」

雫は曖昧に答えた。

郁哉は高校生になってから急激に背が伸び、大人っぽくなった。
もともと勉強もそこそこできて、運動神経が良い郁哉は中学からモテモテだったが、さらに高校になってもっとモテモテになった。


「んじゃ、行ってくるわね。」

姉は雫に笑顔を向けながら彼氏の家へ出かけていった。
雫は姉とは1つしか違わない。
しかし、いつも化粧をして大人っぽい姉とは違い、童顔で子供っぽい雫はいつも歳の離れた姉妹に思わている。

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