一途な彼女と意地悪な彼



午後の授業も終わって、放課後。
あたしは裕と帰る約束をしていた。

裕はいつもならバイトだから一緒に帰れないけど、たまたま今日はシフト休みだったわけで。


「帰ろー」


裕があたしのところへ来て、言った。


「うんっ」


と、その時。


「ちょっと待て」


……この声は、あいつしかいない。


「何か用?」


しれっと返した。


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