幼い頃の小さな約束
どれが正解かなんて、本人にしか分からないに決まってる。
あたしは、ゆきの言ったことに従えば良いだけ。
本人の希望なんだから。後悔するもしないも、ゆきの自由だから。
あたしは少しすっきりすると、小さいゆきの手のひらを握った。
小さな子みたいに、ぎゅっと力強く握り締めて。
ゆきは繋がれた手のひらを見て、優しく微笑んだ。
「じゃあ、行こっか」
あたし達は一緒に、皆のところへ歩き出した。