代償
総長、待つ。

学校へ。

冬休みが終わって。
「文香ー、迎え来たぞ」
今日から学校へ。
登下校は前橋組の族員の送り迎えつき。
これは上時との約束。
下時組がいつ来るか分からないからって。
大概、暇な………
「ヤッホーッ!ふーみちゃん!!」
はい。
こんな口調はキャーラしかいないよ。
暇なんだね。
玄関でキャーキャー言って。
………だからキャーラなの?
んなわけないか。
「じゃぁ、よろしくな。逃走でもしそうなら、首根っこ持って何とかしろ」
………何ソレ!?
「首根っこ?なら、上時総長、首輪付ければいいじゃん~」
首輪!?
「なるほどな」
納得するなーーー!!!
「上時総長、ちゃんとリード、持たなきゃ~」
「そうだな。逃げるよな。じゃなきゃ」
………。
逃がさない………ってこと?
わーお。
「遅刻するから行こっ♪」
キャーラが急かす。
セーラー服の襟布を正して、ローファーに足を入れる。
「上時総長は?」
「俺はまだ出ないな」
「ゆっくりした朝だね。総長は」
「まぁな」
キャーラが行ってきますと言って、家を出た。

マンションの1階に降りると、
「お早う。文ちゃん」
………ユートさん。
「何で13階に来ないのさ!!」
「高所恐怖症なんだよ。よく総長、あんなとこに平気で………」
………高所恐怖症なんだ。
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