代償
駅前のカフェのケーキ、美味しいって聞いてて。
「わぁー☆」
キャーラ、子供だね。
「ねえねえ!!これ食べていーの?いいのー!?」
………。
「注文したのはあんたでしょ。食べたら?」
呆れる凜音さん。
「うわーい!可愛いー!」
………あのさ。

………本当に警察官?
童顔で子供っぽさ全開で。
………ええ?
前橋組って、本当に奇人変人だよ。
みんな。
「凜音さん、キャーラさんっていつもこうなの?」
「うん。いつもだよ。うんざりだよね」
そういう声は甘い。

………お姉さんみたいな?
「おいしー!」
フォークを掲げる。
回りの目が、痛い。
「バカ!恥ずかしいからやめな!」
「んははっ」
………ユートさん。
ティラミスを黙々と食べてる。
………苺の。
苺ティラミスて。
可愛いなぁ。

「上時総長にお土産買ってけば?」
ユートさん。
上時総長はケーキ食べないよ。
甘いもの苦手だって。
「純カカオ使用のティラミスあるし。苦いの好きじゃなかった?」
だったかな。
じゃ、買ってみる!



「バイバ~イ!また明日!」
梓を家に送って、私も帰る。
ユートさんと凜音さんとキャーラと。
手には、上時用のティラミス。
私は苦くて食べれない。
食べれたら、大人だよね。
………だよね?
上時総長。

「またねって、また明日~」
凜音さんが言う。
確かに、明日だね。
明日も学校だし。


冷蔵庫にティラミスを入れる。
………食べて、くれるかな。
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