煙草とキス





快斗の言葉にはだんだん

ため息が混じっていく。



あたしは、そんな快斗の言葉に

だんだん敏感になっていく。










「悪いけど、今はバンドが優先だ」








快斗は、鳴り止んだケータイを握りしめながらあたしに言った。





あたしの中では


何かがプチン、と切れた。




頭の中も、涙腺も。










「……っ…分かってるよ…」




声も体も震える。





「でも…っ……ひとりにしないでよ…」






快斗の手を強く握った。


ダダをこねる子供みたいに、泣いた。








「快斗……離れないでよ………」








快斗の表情なんて、伺える余裕すらなかったから分からない。




快斗はあたしを抱き寄せもせず、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で



「ごめん」と呟いただけだった。








< 276 / 280 >

この作品をシェア

pagetop