煙草とキス
快斗の言葉にはだんだん
ため息が混じっていく。
あたしは、そんな快斗の言葉に
だんだん敏感になっていく。
「悪いけど、今はバンドが優先だ」
快斗は、鳴り止んだケータイを握りしめながらあたしに言った。
あたしの中では
何かがプチン、と切れた。
頭の中も、涙腺も。
「……っ…分かってるよ…」
声も体も震える。
「でも…っ……ひとりにしないでよ…」
快斗の手を強く握った。
ダダをこねる子供みたいに、泣いた。
「快斗……離れないでよ………」
快斗の表情なんて、伺える余裕すらなかったから分からない。
快斗はあたしを抱き寄せもせず、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で
「ごめん」と呟いただけだった。