優しい君に恋をして【完】
4階に着くと、真菜から教えてもらったお店と、
本屋さんが並んでいた。
一緒に選んだら、作ることがバレちゃうよね......
内緒にしてびっくりさせたいな......
手芸屋さんと本屋さんの間で立ち止まっていると、
優が「何を買いたいの?」と聞いてきた。
私は少し考えてから、そっと手を離した。
「あのね、ちょっと......
本屋さんで待っていて」
そう手話をすると、優は本屋さんをちらっと見て首を傾げて、
小さく頷くと本屋さんの方へ歩いて行った。
よし、急いで探そう。
私は手芸屋さんに入ると、
すぐにお店の人にレザーミサンガを作りたいと言って、
売り場とつくり方を軽く教えてもらった。
ほんとだ、いろんな色がある。
優は、何色が好きなんだろう......
私は携帯を取り出すと、優にメールをした。
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優は、何色が好き?
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送信すると、また革紐を眺めた。
こげ茶と、優の好きな色の2色で編もう......
そう思ってこげ茶色の革紐を手にすると、
携帯が震えた。
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青と白
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青と白かぁ。
こげ茶と白だとちょっと、優っぽくないかな.....
じゃあ、青か......
青といっても、いろんな青がある。
こげ茶色の革紐をあてて、どの青がいいか悩んでしまった。
なんとなく、優は落ち着いた色の方がいいような気がして、
青でも、一見黒に見える、濃い藍色の革紐に決めた。
そして買った革紐の入った袋をバッグに入れると、
本屋の中に行って優を探した。