優しい君に恋をして【完】




4階に着くと、真菜から教えてもらったお店と、

本屋さんが並んでいた。



一緒に選んだら、作ることがバレちゃうよね......


内緒にしてびっくりさせたいな......


手芸屋さんと本屋さんの間で立ち止まっていると、


優が「何を買いたいの?」と聞いてきた。




私は少し考えてから、そっと手を離した。



「あのね、ちょっと......



本屋さんで待っていて」



そう手話をすると、優は本屋さんをちらっと見て首を傾げて、



小さく頷くと本屋さんの方へ歩いて行った。




よし、急いで探そう。



私は手芸屋さんに入ると、


すぐにお店の人にレザーミサンガを作りたいと言って、

売り場とつくり方を軽く教えてもらった。



ほんとだ、いろんな色がある。


優は、何色が好きなんだろう......


私は携帯を取り出すと、優にメールをした。



=============

優は、何色が好き?

=============


送信すると、また革紐を眺めた。


こげ茶と、優の好きな色の2色で編もう......

そう思ってこげ茶色の革紐を手にすると、


携帯が震えた。



=============

青と白

=============



青と白かぁ。


こげ茶と白だとちょっと、優っぽくないかな.....


じゃあ、青か......


青といっても、いろんな青がある。


こげ茶色の革紐をあてて、どの青がいいか悩んでしまった。

なんとなく、優は落ち着いた色の方がいいような気がして、


青でも、一見黒に見える、濃い藍色の革紐に決めた。



そして買った革紐の入った袋をバッグに入れると、

本屋の中に行って優を探した。







< 202 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop