睡魔の悪戯。



「ありがとう。」


『褒めてないから。』



どうやら、睡魔があたしに悪戯をしたらしい。


あきって呼ぶように。かわいく甘えるように。ほんとにキャラじゃない。そんな悪戯は迷惑極まりない。


『ねえ、あきさん?』


「あ、もどってる。」


呼び捨てにしたのを覚えてないなんて、悲しすぎる。無意識に呼んでたなんて。


『お腹減ったわ。』


「んー…そっか。」


今度は頑張って呼んでみようと思うの。少し…いや、かなり恥ずかしいのだけれど。すぐには呼べないとは思うけれど。


「食べに行く?」


『おけ。』


そのうち呼んでみるね?



あきって。



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