世界は私達に優しくない
 

朝ご飯を食べTシャツとデニムスカートを履き、プレゼントの入った紙袋を手に隣の家のチャイムを鳴らした。

朝ご飯を食べた後、着替える為部屋に戻った時凌空の部屋に視線を向けた由希だったが、状況は部屋を出て行った時から何も変わってはおらず、窓からはやはり無理だと思った由希は玄関から行こうと思ったのだった。

そして現在、凌空の母親に家にいれてもらいまだ起きて来ていないという凌空の部屋の前に立っている。

しかしなかなかドアを開ける事が出来ず、ドアのぶに手を伸ばしまた引っ込め、声をかけようと口を開いてはまた閉じる。

その繰り返しだった。


(寝てたらどうしよう…。それにさっきの事もあるし、でもここはやっぱりいつも通り思いっきりドアを開けて叩き起こそう!)


決意も新たに由希は気合いを入れ、勢いよくドアを開け放った。


「凌空おはよー! もう朝だよっ、起き……」


元気よく部屋に飛び込む様に入った由希は、目に飛び込んで来た部屋の様子に言葉を無くした。


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