半分こ。


「おわー。りん!…久しぶり~」

う゛。

その声に振り向くと…
予想通り 十番組 組長の原田佐之助が
こちらに向かって来る。

「佐之…。」

りんの声音が下がる。
正直なところりんは原田が苦手だった。


その理由は――

「りんーー!!!!」
原田がりんの肩に腕をまわした。
そのまま 接吻……
しようとする彼をりんは必死に払う。

――これだ。


原田は会う度にこうなのだ。

「やめろっ!!」

りんは原田の額を指で弾いた。

原田は長身で
種田流という流派の槍を使う。


そんな中 隊務を終えて戻ってきた
八番組 組長の藤堂平助と
二番組 組長の永倉新八が歩いてきた。

「りんー。久しぶり!」

藤堂はりんと年が近い。
藤堂家の落胤らしいが、定かではない。

「りんちゃんも忙しいんだよね~。」

永倉が言う。

彼は何しろ良く食べ剣術ばかりしている。

「そんな事より一手 打ってく?」

藤堂の誘いにりんは目を輝かせた。


< 3 / 18 >

この作品をシェア

pagetop