体育館12:25~私のみる景色~

「やっばーい! 遅くなったー!」


 スカートの短さが気になって裾をぐいぐいと下に引っ張っていると、後ろから最近よく聞いていた声が耳に飛び込んできた。


 振り返ってみてみると、やっぱりその人は私の思っていた人と同じ。


「ミナミ先輩っ!」


「うっわ、亜希ちゃん!? 気づかなかった! めちゃくちゃかわいいねっ」


「あっ、ありがとうございます! ミナミ先輩もすごく似合ってますねっ」


 うわあ、ミナミ先輩に褒めてもらっちゃったよ!?


 そう言うミナミ先輩も、赤いはっぴが似合ってて素敵です……!


 ありがと、って言ってはにかむ姿がすごく可愛いっ。


「ほらー! あんたたち、もうすぐ始まるっぽいから早く来なよー!」


「あー、うるせぇな。つーか、めんど」


「同じく」


 ミナミ先輩がそう声をかけたあとに聞こえてきたのは、もう何度となく耳にしてきた音。


 1つは少し掠れた気だるそうな声、そしてもう1つは甘くて低い、私の好きな人から発せられる響き。


 幕の下がった内側にある、体育館とステージを繋ぐ階段の方から上ってきたのは慶ちゃん先輩、それと今日会おうとしていた佐伯先輩だった。

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